コラム

リフォーム前提の中古住宅購入ポイント

鈴木 元一朗(グランドコンパス)
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 日本の中古住宅の流通割合13%程度で、欧米の8割以上に比して少ない、建てては壊し、また建てるといった「もったいない」ことを繰り返しているのが日本の住宅事情である。家は古くなると価値がなくなるという減価償却の考え方をご都合主義的に取り入れているからであろうか。家は建てるものであって買うものではないと注文住宅志向、人が使ったものは嫌だという潔癖主義か。

 一方で空き家が増加し、社会問題化している。倒壊の可能性があったり、放火の可能性や、管理がされないので、ごみが集積されてしまったり、落書き、野良や害虫の住処になったり、治安や風紀上の問題を引き起こす。所有者はいるものの相続がうまくいっていなかったり、相続人がいないケースも、相続人がいても居住地が離れで管理ができない、費用がない、取り壊すことで固定資産税評価額が上がり支払い額増加になるために取り壊さない。様々な事情がある。

 中古住宅流通革命として住宅メーカー10社によるスムストックが立ち上がった。メンテナンスの行き届いた住宅には、価値を認め、市場を創造する動きが出てきている。家は終の棲家ではなく、多額の費用をかけるものではない、死後も墓まで定住という価値観は無く、その時節、事情に合わせて遊牧民で良いのである。それでも住んでいる間に不具合や不満や出費はしたくないので、どの中古物件が良いかの相談を多く持ちかけられる。

 地価が上がり、坪単価の上昇では住宅の購入は難しくなり、さらには住宅ローン金利が上昇したり消費増税による負担がかさめば、注文住宅をあきらめ中古住宅を購入しリフォームをする選択が増えていくでしょう。確かにこのとろこそんな相談が多くなってきている。

 見るべきポイントとしてアドバイスするのは二つ。
 一つ目は1981年(昭和56年)6月1日以降の建築確認申請かどうか。これは新耐震基準のもとでの建築物かである。
 二つ目は現地確認、特に床下である。水漏れはないか、白アリ被害はないか、基礎の亀裂や根太の腐りはないか、ヒトの健康診断でいうレントゲンに近い調査ができるのでできれば自身で床下に入ってみるのが良い。レインコート、防塵眼鏡、マスクは必須である、狭く暗いので閉所が苦手な方は要注意。調査後は汗だくなのでお風呂に入りたい。信頼のおける診断士やシロアリ業者に委託して写真撮影をお願いしても良い。行政に相談して耐震診断を受けるのも良い。家の体幹である土台、基礎を見ることをお勧めしたい。
 その上で、構造(スケルトン)と設備(インフィル)に分けて判断をしていくと良い。構造に関する部分は変更が容易ではない、設備はリフォームできるためである。中古住宅の購入者のリフォームは水回りが多い。他人が使用したトイレやお風呂は使いたくないからか。あれもこれもでは予算が膨らんでしまう。優先順位をつけて行くと良い。予算の範囲で叶えていこう。