コラム

ヒートショック対策で命を守る家に段差より「暖差」に注意

株式会社Flap 矢島マコト
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人の寿命と家の寿命 高齢化は人だけではない
 日本人は長寿である。誰も否定しないと思います。日本の家は寒い。これはどうでしょうか。いえのつくりようは、なつをむねとすべし。ふゆは、いかなるところにもすまる。あつきころわろきすまいは、たえがたきことなり。時は鎌倉時代末期、吉田兼好が記したとされる日本三大随筆の一つ徒然草の有名な一説です。寒いのは何とかなるが暑いのは何ともならない、だから家は夏用に涼しく作れという訳です。鎌倉時代の平均寿命は24歳だったとか。2015年の平均寿命は、男性80.79歳、女性は87.05歳です。最近は人生100年時代などと言われ始めました。日本の家の寿命は30年と言われ、除却解体と新築、いわゆるスクラップ&ビルドを前提に設計されて来ました。しかし、高齢化と高所得化がパラレルならば良いのですが高齢世帯の収入が高いという事は少ないでしょう。少子化で世帯交代による新築の需要は減少しています。

3古くなった家は寒いという現実 寒い家に住む高齢者の危険性
  ヒートショックの原因については、医学系サイトに譲るとして、本稿では家のヒートショック対策を考えたいと思います。ヒートショックによる高齢者の年間死亡者数は交通事故死者数を上回っています。これは単純な比較のための例示ではなく、ヒートショックが命を奪う恐ろしい要因だということを表しています。バリアフリーが叫ばれて久しく常識として一般化しました。家や道路、公共機関における「段差」というバリアは少なくなりました。バリアフリーといえば段差解消や階段の手摺りを取り付ける事だと思っている人もいます。医学界のみならず建築界は。もっともっと「暖差」という大きなバリアの存在を訴えかけるべきです。

バリアフリー化に 「暖差解消」 リフォームを組み合わせましょう
 例えば、和室と洋間の境目にある引戸を取り払って床の段差解消を行う場合です。車いすを考慮し、全ての床を平坦にすることも多いでしょう。この時。床材の下に断熱材を敷き込み床下からの冷気を遮断するリフォームを行っては如何でしょうか。冷気は下から上に移動します。効果の大きいリフォームと言えるでしょう。「段差」と「暖差」を同時に解消するお勧めメニューです。

浴室、脱衣所、洗面、トイレ、玄関、廊下、階段・・・家じゅうにはびこる「暖差」の脅威
 SBSリフォームプラザに行って「ヒートショック」と言ってみてください。少なくとも浴室暖房の提案を受けるはずです。しかし、上記の「暖差」を解消する為には、家の設計そのものを解消する必要があります。それは何故か?日本の家は30年仕様で設計されているからです。昭和から平成初期の家は、ヒートショックなど全く考慮されずに設計された家が多いはずです。人生100年時代。3000万は出せなくとも1000万を捻出して大規模リフォームを決心するときが来ていると言えます。